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夏休み中に会社から呼び出し…出なくても大丈夫?

【法律歳時記】レジャーを台無しにしないための法律相談3

Q 申請した有給が却下された!「みんな仕事してる」なんて理由で却下なんてあり得るの?

「有給休暇は、6か月以上継続して勤務し、全労働日の8割以上出勤した場合に従業員に認められた権利で、アルバイトであろうが正社員であろうが認められます。
 有給休暇については、原則として、従業員の請求した時季に与えなければなりません。したがって、会社は、申請の条件を満たしている限り、申請を却下することはできません。よって、「みんな仕事してる」という理由で却下することは原則としてできません。

 ただし、会社は、「事業の正常な運営を妨げる場合」、具体的には、労働がその者の担当業務の運営にとって不可欠であり、代替要員を確保することが困難な場合には、時季を変更することが認められています。
例えば、休暇で欠員が出ており、代行者の補充が出来ない場合などは、事業の正常な運営を妨げる場合といえるでしょう。

 ただ、会社が従業員を補充しようとせず、その結果欠員が生じたような場合には、会社の配慮がないということで「事業の正常な運営を妨げる場合」に当たらないという判例もあります。いずれにしろ「みんな仕事してる」などといった理由だけでは、「事業の正常な運営を妨げる」とは言えず、時季変更は認められないと考えられます。」(同弁護士)

Q 転職した会社で「夏休みなんかない」と言われた……。前の会社はあったのに、夏休みがないなんて労働基準法違反では?

「夏季休暇を与えなければいけないという法律はありません。従業員の福利厚生の一環として法律の規制を超えて、夏季休暇というものを設けている企業があります。この場合、企業が任意的に夏季休暇を設けているわけですから、他の企業が設けていなくとも違法ではありません。

 また、会社によっては、夏季休暇を有給休暇として与えている場合があります。5日を超える有給休暇部分については、会社の計画的付与を認めていますから、有給休暇を取らせることが違法になるわけではありません。」(同弁護士)

【お話しをうかがった方】

 

岩沙好幸(いわさ よしゆき)さん
 弁護士(東京弁護士会所属)。慶應義塾大学経済学部卒業、首都大学東京法科大学院修了。弁護士法人アディーレ法律事務所。パワハラ・不当解雇・残業代未払いなどのいわゆる「労働問題」を主に扱う。動物好きでフクロウを飼育中。
近著に『ブラック企業に倍返しだ! 弁護士が教える正しい闘い方』(ファミマドットコム)。
『弁護士 岩沙好幸の白黒つける労働ブログ』も更新中。
 

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